『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』 (NTT出版) ジョセフ・ヒース/アンドルー・ポター 著

  • 2014.12.30 Tuesday
  • 21:52

『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』 (NTT出版)

 ジョセフ・ヒース/アンドルー・ポター 著/栗原 百代 訳

   ⭐⭐

   400ページに及ぶ徒労作

 

 

カウンターカルチャーというものが日本に存在したのかわかりませんが、
アンチ資本主義的な文化によって、資本主義に対抗するという左翼的活動は、
効果がないどころか有害だというのが本書の主張です。

このような結論には僕もおおむね賛成ではあったのですが、
本書を読んでみると、膝を打つようなところがないんですよね。
むしろ、この人は何がしたいのか、と疑問になりました。

たしかに5000円近いトマ・ピケティの本を買える人は、
格差に苦しむ人ではないだろうし、
資本主義の包容力の中で反対を表明するむなしさをごまかすのは感心しません。

念のため強調しますが、僕は彼らの結論に賛成なのです。
だから共感して読み進められるものとばかり思っていました。

しかし、最初の方で結論を出してから、
長々とどうでもいい話が続くばかりで、それ以上議論が深まっていかないことに、
正直苛立ちしか感じませんでした。

邦題に「いかにして〜になったか」とあるわりに、
カウンターカルチャーは消費文化に包摂されるという結論があるだけで、
対抗文化の歴史的変化を学問的に探求する姿勢は皆無です。
結論だけなら読む前からわかってるわ、って言いたいです。

ボードリヤール批判もちっとも丁寧ではなく、解釈が一面的すぎると感じます。
文化左翼を揶揄するだけで、どうあるべきかということに対して真剣に悩む様子もないので、
この人たちはオルタナティブを否定したい修正資本主義の立場なんでしょう。

文化左翼は間違っていると思いますが、
間違った相手を叩くのにいたずらにページを浪費するのも間違っています。
ヒースには別の著作もありますが、正直読む気も起こりません。

本書の最後には、この本に対する反論や拒否反応が載せられていて、
それに対してヒースとポターは再反論をしているのですが、
まあ、そういう反論が出るのも仕方ないという気持ちになりました。

よほど暇な人でないと、
無駄な部分が多すぎて徒労感が残るので、あまりおすすめできません。

 

 

 

評価:
ジョセフ・ヒース,アンドルー・ポター
エヌティティ出版
¥ 2,700
(2014-09-24)

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