伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇 【劇場版】 [DVD] 富野由悠季 監督作品

  • 2014.03.27 Thursday
  • 13:48

 伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇 【劇場版】 [DVD]

 (JVCエンタテインメント)

 富野由悠季 監督作品

   ⭐⭐⭐⭐⭐

  戦争の回避に何が必要か

 

 

小学生の時に映画館で作品を見たときは、
ガンダムを見る感覚ではついていけませんでした。

大学生になって再度見たときは、
日本最高の映画だと思いました。

今更のレビューですが、今更と言えない作品だということを書かせてください。

入植した辺境のソロ星で、地球人が異星人バッフクランと遭遇して物語は始まります。
そこで戦争に巻き込まれた子供たちが、
遺跡から発掘された兵器イデオンを駆使してバッフクランと戦います。
戦況はしだいに泥沼化し、両者は母星を失いながらも、
最終戦争を戦い抜き、そして死んでいきます。

そこで展開する人間の愛憎や業もさることながら、
イデオンを駆動させる無限エネルギーの「イデの力」、
その謎も物語の焦点になっています。

結局「イデの力」の発動によってイデオンは人類を滅ぼすわけですが、
その「イデの力」の正体はあまり理解されていないようです。
(「イデの力」とは富野監督の力だと解釈したスタッフもいたようですが)

「イデの力」の最大の特徴は、
子供の自己保存の本能に触発されるということです。
最終的には生まれる前の赤ん坊の自己保存本能で最大の力を発揮します。

つまり、「イデの力」とは人間の自己保存本能だということです。

人類は自己保存の力によって自らを滅ぼす。
これが富野がこの作品に託したテーマだと僕は考えます。

富野にとっては、戦争はすべて自衛のための戦争だということです。

このテーマは「逆襲のシャア」でも、
ケーラを人質に取られたアムロが電撃攻撃を受け、
無意識に自分を守ろうとファンネルを発動させて、
ケーラを殺してしまうシーンにも見られます。

戦争は侵略でなく自衛であっても滅びへの道だということが、
憲法9条の「戦力放棄」の理念に通じるのは偶然ではないでしょう。

冷戦下にあって富野は、
リアリティに欠けると言われる「戦力放棄」の理念を真剣に考えていたのだと思います。
それは、「イデオン」や「ダンバイン」への回答である「ターンエーガンダム」を
見てみれば確認できることでしょう。

平和を求めるなら、まずは自己保存を断念しなくてはならない。
ガンダムなどで富野がインドを持ち出したがるのは、
仏教的な執着の断念を考えているからではないでしょうか。

僕は政治的には「戦力放棄」を求める者ではありませんが、
「戦後」という時代を考える上で、
富野作品というのはもっと語られるべき「文学」であると信じています。

 

 

 

評価:
矢立肇,富野由悠季
タキコーポレーション
¥ 22,000
(2006-05-05)

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