『なぜ世界は存在しないのか』(マルクス・ガブリエル) Amazonレビューへの佐野波布一コメント

  • 2018.03.14 Wednesday
  • 22:50

 『なぜ世界は存在しないのか』(マルクス・ガブリエル)

 Amazonレビューへの佐野波布一コメント

 

 

 

 

 

どうも、佐野波布一と申します。

 

マルクス・ガブリエルの『なぜ世界は存在しないのか』について、どこぞのフランス現代思想学者が解説している文章を目にしましたが、

僕が予想していた通り、自分の立場と対立しない内容だけに触れるという、

どこぞの省庁と似たような手口を使っています。

 

具体的に言えば、意味を中心とした人間主義であることを明確にすることは避けています。

科学一元論を批判する反ファシズム思想だとか、ひとつの特権的な「意味の場」の覇権を拒否しているとか書いているのですが、

これもかなり欺瞞に満ちた内容と言えます。

 

科学一元論を批判しているのはその通りですが、同時に人間不在の思弁的実在論も批判しているのに、

そこをカメレオン学者はスルーして触れません。

思弁的実在論の代弁をしてきた自分に不利な事実は削除するわけです。

また、ひとつの特権的な「意味の場」の覇権を拒否しているという解説は誤読でしかありません。

ガブリエルが拒否する特権的な包括的な場は「世界」としか書かれてはいません。

「世界」が存在しないことで「意味の場」が成立するとガブリエルは書いているわけですから、

ひとつの覇権的な場は「意味の場」になるはずがないのです。

(もちろんガブリエルもそんな表現はしていません)

これは誤読であるか、そうでなければ内容の身勝手な改ざんと言えるでしょう。

 

彼が書いているひとつの特権的な意味の場が存在しない、という反ファシズムの思想とは、

まったくもってガブリエルの著書の内容ではなく、

これまで〈フランス現代思想〉がさんざん垂れ流してきた言説でしかありません。

もし本当にガブリエルがこんなことを言っているのだとしたら、まったく新しくありません。

いや、本当に自分に都合がいいように「書き換え」をするものだと、呆れ果てました。

この人には学者としての良心など存在しないのでしょうか。

 

まるでガブリエルが意味を批判しているかのような「書き換え」は、

あまりにガブリエルとは逆方向の主張になるので、もし誤読でないのなら、彼の一般読者を騙そうとする不誠実な態度と考えるしかありません。

僕の好き嫌いなど関係なく、事実を捻じ曲げるような内容を流通させる学者を日本ではなぜ問題だと考えないのでしょうか。

いや、国の省庁が事実を書き換えて平気なのですから、学者だって平気で書き換えを行うのがこの国なのでしょう。

 

しかし、本書のレビューでも確認したように、

僕はずいぶん前から彼らがこのような「読み換え」をすることは予想していたので、

日本的な自己保身を優先する文化にどっぷりつかっている人たちが、

西洋思想を「宣伝」していることがいかにお笑いな事態であるかの良い証拠になると思います。

 

 

 

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