『不要なクスリ 無用な手術 医療費の8割は無駄である』 (講談社現代新書) 富家 孝 著

  • 2016.11.10 Thursday
  • 22:00

『不要なクスリ 無用な手術 医療費の8割は無駄である』

  (講談社現代新書)

  富家 孝 著

   ⭐⭐⭐⭐⭐

   視野が広くて非常に参考になる

 

「医療費の8割は無駄である」とアオる副題がついているので、
過激で一面的な内容ではないかと疑うところもあったのですが、
著者が病院経営をしていた医師であり医療ジャーナリストだけあって、
専門的な知識が豊富な上に視野も広くて、しっかりした良書でした。

先頃僕は父を亡くしたのですが、医療費の支払いの多さには辟易しました。
65歳以上の年間医療費は70万と書かれていますが、これからさらに増える見込みもあります。
僕はまだ40代ですが、薬や保険、人間ドックなどについても書かれているので、
本書を興味深く読みました。

第2章では病院経営の視点から、医者や病院の稼ぎ方が書かています。
そこでは悪い医師や病院がどのような手を使うかも紹介されています。

第4章では生活習慣病の薬について飲み続けるべきかを考察します。
著者の富家自身が自らの服用薬を明らかにしているのも信頼できますし、
僕の父も降圧剤でトラブルを体験したことがあるため、話がよくわかりました。

第5章ではがんの治療費について触れています。
5大がんの治療費は約50〜70万円で、それほどではないとのことです。
(まあ、一度ですめばというところではあると思いますが)

第6章では部位別にがんの10年生存率を見ていきます。
それとともに、どのがんに手術が必要か考えるのですが、
それは不要な手術をしたためにかえって命を縮めることがあるからです。
僕の父も直腸がんの再発のときに手術をするか判断に悩みました。
手術に踏み切ったことがよかったのかどうか、今も時々考えます。

章末にあるコラムも非常に充実しています。
がん検診をどう受けるべきか、歯の治療やインプラントなどについて、
専門的な視点からフェアに書かれているように感じました。

第8章では終末医療について触れていきます。
「死に方」について考えることが重要だというのは、
多くの人がすでに感じ始めていることではないかと思います。

僕の印象に残ったのは、がんで死ぬことは幸運だと富家が述べたところです。
がんは老化現象なのだから、ある程度の年齢でがんと診断されても落ち込む必要はない、
むしろ今後どうがんとつきあっていくかを考えるべきだと彼は言います。
がんの発見によって、人生最期の過ごし方を考えることができる、
その点でがんになることは幸福と捉えることもできるというのです。
なるほど、と感銘を受けました。

 

 

 

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM