『迷走する民主主義』 (ちくま新書) 森 政稔 著

  • 2016.03.15 Tuesday
  • 17:39

『迷走する民主主義』 (ちくま新書)

  森 政稔 著

 

   ⭐⭐⭐⭐

   民主党政権の批判がほとんどで、安倍政権については4ページくらいしか直接の記述がないのは謎

 

 

本書は第機↓局瑤搬茘敬瑤覇睛討変化しています。

森自身の説明では、
以前に書いたまま発表の機会を逃していた民主党政権についての原稿を、
本書の第局瑤房録するにあたって、新たに第吃瑤搬茘敬瑤魏辰┐燭茲Δ覆里任垢、
その構成が本書をいびつなものにしているように感じました。

政権交代までの政治状況をまとめた第吃瑤呂垢个蕕靴て睛討世隼廚い泙靴拭
資本主義の変化と政治状況を連動させた分析は見事で、
非常に説得力がありました。
たとえば、リーマンショックを機に政府が市場の救済者として期待されるようになった、
などの分析はただの政治学者にはなかなか期待できないのではないでしょうか。

続く第局瑤寮権交代と民主党政権の批判についても、
大部分は首肯できるものでした。

その後の第敬瑤任呂気蕕覆訐権交代と安倍政権のことが分析されるのかと思いきや、
具体的な政治状況は語られず、
「民主主義の思想的条件」ということで抽象論が展開されます。
これまで読み進めてきた流れから急に別方向に舵を切られた印象で、
興味を持続する気持ちが萎えてしまいました。

政権復帰後の自民党政治の分析がなされていないことが、
第局瑤諒析にも悪い影響をもたらしている気がします。
たとえば、森は
「自民党支配のもとでは自民党と政府とは事実上つながっていながら
両者の使い分けが巧妙になされていたのに対して、
民主党政権では党と政府とを一体化し、
党が政府を包摂することが模索された。」
と書いていますが、
森が説明する自民党のあり方は派閥が機能していたときまでで、
小泉政権や政権交代後の安倍政権に当てはまるとは思えないのです。

また、森は「強いリーダーシップ」が「統治理性の欠如」を招くとしています。
その分析そのものはもっともだと感じるのですが、
それがアメリカのブッシュ政権を支えたとするのなら、
なぜ日本ではそれが民主党政権の問題になるのかがわかりません。
それって小泉政権の高支持率によって説明されるべきものではないのでしょうか。

森が「強いリーダーシップ」の問題を小泉支持と結びつけないことが、
「マニフェストへの不信から、強い政治指導者を選び、
その人物に白紙委任することこそが、民意の反映であり真の民主主義である、
というような考え方への飛躍が見られるようになった」
という分析に影響しているように思います。
森はこのあと橋下徹を持ち出すのですが、
僕には橋下は小泉のエピゴーネンでしかないように思えます。

実は第吃瑤任両泉内閣への分析もなんか薄味なんですよね。
大衆の「強いリーダーシップ」渇望状況を小泉抜きで語るのは、
僕の実感からするとありえないように思うのですが、
政治思想の立場だと感覚が違うのでしょうか。

森は雑誌「現代思想」の昨年2月号の論考では安倍政権に批判的だったので、
安倍の批判を避けているとは思わないのですが、
いずれ別の本で発表するつもりなのでしょうか。
しかし、民主党がダメなのは「民主党の迷走」であって、
「民主主義の迷走」とはあまり受け取られていたような気がしないので、
安倍政権への分析抜きでこの書名というのは首をひねりたくなります。

このように疑問に感じる部分もありますが、
全体的に分析は鋭いと思いますし、
第敬瑤眛販したものと考えれば悪くないように思います。

特に第敬瑤侶誅隻瑤如
「人間の有限性が政治の条件となっている」とし、
「有限性の制約のもとでの民主主義」を模索すべきという森の言葉は、
非常に含蓄あるものとして僕は受け止めました。

 

 

 

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM